はれるや( ´ ▽ ` )ノ。です。
最近よく耳にする「AI PC」。今のPCでもAIは使えます。これまでのPCとAI PCはどう違うのか、AI PCはどんなメリットがあるのか、どんなメーカーがAI PCを作っているのか、などなどの疑問に答えていきます。
AI PCとは
AI PCとは、CPU(※)やGPU(※)に加え、AI処理に特化したプロセッサ「NPU(Neural Processing Unit)」を搭載したパソコンのことで、「AIテクノロジー内蔵PC」とも呼ばれます。主な用途に、データ解析や画像認識などがあります。
※:CPUとは人間で言う頭脳の役割をする部品のことです。CPUについては以前の記事を参照ください。
→ パソコン選びのポイント - パソコンもスマホもたぶん大丈夫
※:GPUとはCPUの仕事のうち、非常に負荷のかかるグラフィック(描画作業)を分担する部品のことです。
そして、NPUがAI処理を分担する部品ということなのですが、その前にAI処理について説明します。
通常、生成AIでの処理はクラウド(※)上で行われ、生成された結果をPCで受け取って利用します。生成AIサービスはクラウドで提供されているものが多いため、高いスペックのPCではなくても処理ができるなどの利点があります。一方で、インターネットを経由してデータを一度外に出すことになるためセキュリティ上のリスクや通信遅延、CPUの負荷が大きくなるなどの課題がありました。
※:クラウドとは、インターネットなどのネットワーク経由で、ユーザーがサービスを利用する考え方や、そのサービスを提供する形態のことを指します。
AI PCは、NPUを搭載することでローカル(インターネットを経由しない環境)でも高速なAI処理が可能になりました。クラウドを利用せずにAI処理ができるため、セキュリティ面でも安心できます。また、AI PCのAI処理はNPUが負担するため、CPUの稼働率を抑えることもできます。そのほかにも、「Webサイトの閲覧履歴などからユーザーの好みを学習する」「AIアプリケーションの利用が可能になる」などの特徴があります。従来のPCに比べ、よりパーソナライズされたPCといえるでしょう。
AI PCのスペック
AI PCには定義があります。IntelとMicrosoftが2024年2月にその定義を発表しました。共同で定めたAI PCの定義では、以下の要件(共通事項)を満たすものをAI PCと呼んでいます。
※:Copilot(コパイロット)とは、Microsoft社が提供するAIアシスタント機能のことです。Windowsにて無料で提供されています。
一方、巷でよく聞く「ChatGPT」はOpenAI社が開発した人工知能です。
どちらも似た機能を持っていますが別物です。混同しないようにしましょう。
つまり、この定義によると、MacにAI PCはないということになります。そのあたりは別の記事で説明したいと思います。
Copilot+PC
2024年5月、Microsoftが「Copilot+PC」を発表すると同時に、新しいAI PCの要件が発表されました。
- Microsoftが承認したCPUまたはSoC。40TOPS(1秒当たり40兆回)以上の推論処理を行えるNPUの搭載が必要
- 16GB以上のDDR5/LPDDR5規格メモリ
- 256GB以上のSSD/UFSストレージ
AI PCの定義は、最初の発表から3か月後に新しい要件が発表されているため、今後も定義が変更される可能性があります。
AI PCのメリット
AI PCの主なメリットとして、次の3つが挙げられます。
- 処理性能の高速化
- セキュリティリスクを抑えられる
- 消費電力の低減
処理性能の高速化
AI PCは搭載されたNPUを利用してデータをAI処理するため、膨大な量のデータでも瞬時に分析することが可能です(NPUを使用して処理するかどうかはソフトウエア側で設定されます)。
セキュリティリスクを抑えられる
AI PCは、クラウドではなくPCに搭載されたNPUでローカル処理できるため、情報を外部に出さず、セキュリティリスクを抑えられます。
消費電力の低減
消費電力を大幅に低減できることもAI PCのメリットの一つです。従来のPCでは、デバイス上でAI処理を行うと負荷が大きいため時間がかかり、消費電力を大きく使っていました。一方、AI PCに搭載されているNPUはAIの推論処理を高速化するためのプロセッサであるため、消費電力を抑えてスムーズに処理することができます。
主なAI PCメーカーとAI PCの一例
ASUS(エイスース)
Lenovo(レノボ)
Microsoft(マイクロソフト)
HP(エイチピー)
MSI(エムエスアイ)
AI PCはまだ発展途上のPCです。ちょこっとAIを使うなら、AI PCでなくてもかまいません。ですが、近い未来にはAIを頻繁に使って処理を行う時代がやってきます。先行投資してAI PCに慣れておくのもよいでしょう。情報収集を怠らないようにしておきたいものです。
それではまた。はれるや( ´ ▽ ` )ノ。